「このライブ、勝ちに行くので。」
彼女のどこか不安げな表情。でも、視線はしっかりと前を見据えていた。
日向坂46の核は、キャプテン。
佐々木久美なのかもしれない。
今日は「3年目のデビュー」を見てきた。
ひらがなけやき時代の悔しさから、日向坂46としての新たな歩みを描いていた。
内容については各々、実際に劇場に足を運んで頂きたい。
映画を通して僕が強く感じたのは、佐々木久美がキャプテンであるからこそ、今の彼女たちがいるのであろうということだ。
包容力があり、優しさを持っている。
それは後輩に対してもそうである。
また、時折見せる少し強気な性格。
「このライブ、勝ちに行くので。」
ひらがなけやき日本武道館3daysを前にした、彼女の発言には痺れた。
これはある意味、欅坂46への宣戦布告ではなかっただろうか?
"欅坂のアンダーグループ"と言われていた彼女たちが、こんな大規模なライブをする。
世間一般から見れば、驚きであっただろう。
でも、それを彼女たちはパフォーマンスで一蹴した。
あの3日間は、大きなターニングポイントになったはずだ。
もし、欅坂46が予定通りパフォーマンスをしていたら。
もし、彼女たちの出番が1日だけだったら。
未来は変わっていたのかもしれない。
それは、僕たちにも、そしてきっと、彼女たちにも分からない。
様々な"if"があるなかで、笑顔で「日向坂46」として活動している彼女たちを見れていることを嬉しく思う。
そこから巡り巡って今に至る。
約束の彼の地、東京ドーム。
彼女たちはそこに向かって、大きな船に乗って、大海原を駆けている。
船頭に立っているのは小坂菜緒を筆頭としたメンバーだろう。
でも、その後ろで舵を取り、指針を示しているのは、佐々木久美なのだ。
破竹の勢いで進む彼女たち。多少なりの向かい風などはなんのその。
自信と経験は、確かな追い風になっているはず。
今起きている、未曾有の出来事の間にも力を溜めていたことだろう。
銀色のカップを伏せたような目印。
誰もが行けるわけじゃない場所へ。
近い未来、みんなでハイタッチして抱き合いながら、涙を拭いて喜ぶ彼女たちが見られるはずだ。
彼女たちが成し遂げる瞬間を楽しみにしている。
読んでいただきありがとうございました。
また書きます。
p.s.
エンドロールの際、「車輪が軋むように君が泣く」が流れていた。
その曲のサビに"古い列車は古いレールを走って"という歌詞があるのだが、そこのタイミングピッタリに、後ろに電車が通ったことにオォーってなった。ただそれだけ。